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名古屋栄の中日綜合法律事務所の弁護士の熊谷考人です。
今回から、何回かに分けて、「遺留分」について、ご説明をさせていただきます。
まず、「遺留分」とは何かという点について解説します。
「遺留分」とは、相続に際して、被相続人の財産のうち、
一定の相続人に承継されるべき最低限の割合のことです。
簡単に言えば、一定の親族には、
最低限もらえる相続分が、「遺留分」として保障されているということです。
被相続人(亡くなられた方)は、原則として、遺言や生前贈与によって、
自由にその財産を処分することができるのですが、
遺留分はこれに対して一定の制限を加える効果を持ちます。
次に、遺留分が保障されている人について解説します。
遺留分を請求することができるのは代襲相続人(=被相続人の孫など)を含む子どもをはじめ、
直系尊属(被相続人の親など)と配偶者に限られます。
被相続人の兄弟姉妹には遺留分は保障されていないという点には注意が必要です。
具体的には、おじいちゃんが亡くなった場合、遺留分権者は配偶者であるおばあちゃん、
その子ら、子が先に亡くなっている場合には孫、おじいちゃんの両親になります。
各相続人の遺留分の計算方法は、以下のとおりです
(ただし、昭和56年1月1日以降の相続の場合)。
① 法定相続人が配偶者と子の場合
配偶者:被相続人の財産×遺留分割合1/2×法定相続分1/2=1/4
子:被相続人の財産×遺留分割合1/2×法定相続分1/2=1/4
② 法定相続人が配偶者と父母の場合
配偶者:被相続人の財産×遺留分割合1/2×法定相続分2/3=1/3
父母:被相続人の財産×遺留分割合1/2×法定相続分1/3=1/6
③ 法定相続人が配偶者と兄弟姉妹の場合
配偶者:被相続人の財産×遺留分割合1/2×法定相続分3/4=3/8
兄弟姉妹:遺留分なし
④ 法定相続人が父母のみの場合
父母:被相続人の財産×遺留分割合1/3
※同順位の相続人が複数いる場合は人数に応じて均等割りとなります。
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